大西宏さん講演会『マーケティングは恋愛か、戦闘か〜発想力が生むネット空間の可能性』@北大

きっかけ

兄に薦められて以前から大西宏のマーケティング・エッセンスを読んでいたのだけど、北大に来るということを知り、聞きに行ってきました。

ブログの印象

ブログは、Appleとかの製品・業績についてだったり、行政的な話だったりで、色んな話があるから、普段触れない刺激を求めて雑誌的に読む程度。
んで、世の中には切れ者の賢い人がいて、色々考えてるんだなーって思ってた。

けど、講演会でパッと見た感じは「人の好いおじさん」、話すときの語り口も穏やかで、イメージを裏切られた。いい意味で。
んで、スライドのタイトル程度はメモってきたので感想と合わせて以下に記しときます。

講演会のまとめと感想

講演会では、iPadでスライド操作をしてた。あんなふうに使えるって便利だな。

講演会の結論は「現代のビジネスにとってネットはすごく大きく、ネットを生かすビジネスは友達の数比べだ*1」ってこと。
結論までには、
時代の変化*2やそれに伴った市場の逆襲*3、ビジネスの変化があって*4
→その結果、消費者はより企業と対等な関係になってきた
→だから、残る競争は如何に消費者に「いい印象」を与えられるか/持ってもらえるか
→喩えるなら、恋愛みたいなもんだ
ってことで要約終わり。


正直、眠くなってしまったところもあったけど、取り上げてたケースとかトピックが総じて面白かった。
特におもしろかったのが、オーディオメーカーと製薬会社の話で、どちらも企業が考える消費者像と実際の消費者像がかけ離れてたって話。
製薬会社は目薬を「薬」のつもりで作り、売ってたけど、消費者は「気分転換」のために買ってた、とかね。


あと、ガラパゴス化とかの単語に反応してつい、マーケットとビジネスって生態系と生物、さらには生物の進化に喩えられるんじゃないか、とか考えてしまった。
自分の進化のイメージは、「これまでなかった新しい生き物が生態系内に出現」→「その時の環境に合わないor運の悪い生物が生態系に淘汰され、淘汰されない奴が生き残る」って感じ。ポジティブセレクションよりは、ネガティブセレクションの方が強いイメージ。
だから、遺伝子を残す戦略としてはとにかく新しい生き物を多く残すことが大事だと思う。


これと、最後に大西さんが言ってた「ウケを狙ってビジネスしちゃだめ。とにかく思いついたことをやってみるべし」ってのがすごくリンクしてたので、質疑応答で聞いてみたいと思ったが、質問にする形を思いつかなかった。
今なら「ビジネス上ではポジティブセレクションとネガティブセレクションのどちらが大きいファクターか?」って感じの質問になるかな。


メモ

・ローカルなちっちゃい店と思ってたセイコーマートが実はコンビニ界では頑張ってるらしい。びっくり。
セイコマのクラブカードを出すとクーポンが出るってシステムは他にないらしい。
・家電の新製品の値段は2カ月しかもたない。
・飲料品とかいろいろと日本はガラパゴス化してる。
・食品・飲料品の販売期間が開発期間より短くなってる。
・ネット上の消費がデパートの売上を越えてる。
・ブランドは客の心の中
・飲酒に関係する遺伝子はモンゴル由来←研究と関係のある話で、ちょっとうれしかった。
iPodに関係して、日本の家電の教訓は、スペックとかの説明より、顧客の心をつかむことの方が大事ってこと。

*1:ただし、「ネットビジネス」自体はもう終わってる

*2:経済・政治・人口・社会の価値観・技術

*3:良いものは安い時代

*4:ネットを通した消費の増加