「アサーション入門」平木典子 ☆4つ
人間関係には悩みがつきものだけど、自分も夫婦関係やラボ内の人間関係について考えることがある。んで、特に結婚してからは夫婦関係で気づいたこと・変えてきたこともたくさんあった。んで、人間関係を良くするには、そのやり方がいくつもあるし、どれをとってもコストがあったりして難しいものがある。
本書は、そういう人間関係を「積極的に変化させたりする方法」ではなく、むしろ「メンタル上必要なメンテナンスとしてのコミュニケーション」を書いている。スタンスとしては「相手を大事にすることで自分を大事にでき、自分を大事にすることで相手も大事にできる」といったところか。
前半は基本的というのか、ある程度人間関係に疑問を持ったりして、自分の表現方法を省みることがあれば気づく内容。収穫だったのは、後半の2点で、「しずかちゃんの表現方法」と「必ずしもアサーティブとは限らない相手とのコミュニケーション」。
しずかちゃんの表現方法
隣の机の人が自分の消しゴムを勝手に使っていて返してくれない。そんな時に、ジャイアンだったら「返せよ」と言い、のび太くんなら黙ったまま何も言えないかもしれない。そして、しずかちゃんなら「使い終わったら返してね」あるいは「使うときは、貸して、と言ってね」と言う。別の場面で、遊びに行くので誘われたけど用事があって行けない時、しずかちゃんなら「今日はお稽古事があっていけないけど、また誘ってね」と言う。
こんな風に、「しずかちゃん」は人間関係のロールモデルとして案外使えるのかもしれない。
必ずしもアサーティブとは限らない相手とのコミュニケーション
そりゃ自分がいくらアサーティブだって、相手がアサーティブとは限らないし、アサーティブになることを求めることもできない。アサーティブになることを要求するのは、それ自体アサーティブでないし。まあ何事も変えていこうとするときには自分から変わらなきゃいけないけど、そのぶん他人にもそうすることを求められるわけではないということか。アサーティブに伝えるための工夫が大事。
その他
「なぜ〜?」「どうして〜?」という表現にも言及されていた。以前から多少気になりつつ、研究上はしゃあない、みたいな感じでスルーしてたものの、他の表現への言い換えはそんなに難しくないことに気づいた。やっぱり研究の話にしても、誰かに「なぜ〜?」と言われた時に自分が良い答えを出す率は下がるようにも思えるので気をつけよう。
具体的には、「なぜ〜?」ではなく、「〜の理由は何?」だとかだと書かれてたけど、これはけっこう文章を組み替えるのが難しいので、とりあえず「どういう理由で〜?」にしようと思った。
アサーション入門――自分も相手も大切にする自己表現法 (講談社現代新書)
- 作者: 平木典子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/02/17
- メディア: 新書
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