研究室の構成員とそれぞれの仕事
以前から、大学と研究、や、科学と研究費の関係、大学にいる人々の考えること、などなどについて考えをまとめておきたいことがたくさんある。が、まずは、教育と研究の機関である大学の中でも、3・4年生から関わることになる研究室について、その中の人たちの仕事や目指しているところを自分なりにざっくりまとめてみた。
ラボメンバーのポジション
教授がトップ
図の左に示すとおり、研究室のトップは教授。全体の研究方向を決定し、外から研究費をとってくるのが仕事。教授がマネージャーで、それ以外は現場のプレーヤーと言える。トップとして、ラボからの対外的なアウトプットに関してすべての責任を負うことになっている(はず)。雑用がめちゃくちゃ多そう。
准教・助教は中間管理職
外から見れば大学の先生。でも、内部的にはまだ自分のお城を持っていない居候的な感じ。自らも実験をしながら、ポスドク以下ラボメンバーの指導も行う中間管理職だけど、自分の研究テーマ確立*1とラボを持つのを目指す。
ポスドク the 非正規雇用の労働者
契約職員で、外から見るとよくわからないポジションにいる研究者。博士号という「研究するための免許」はあるけど、プロとしてメシが食えてるわけじゃなくて経済的には不安定。アカデミックな世界での経済的安定・将来の保証がなく、アカデミックの外にも出にくい、社会のエアポケット的な位置だと思える。雑用が少なくて実験一筋に打ち込めるという意味では幸せなポジションかも。*2
博士課程大学院生、将来はまだまだ未知数
研究者の卵だけど、博士課程に入ってから研究が合っていないなどの事実も発覚したりする。学生とは言え、「博士課程学生向けのトレーニング」などカッチリした教育を受ける機会はほとんどなく、教授や准教などからマンツーマンで教えを請うか、自ら学ぶ事になる。仕事は自分でカッチリした博士論文を書くことだけど、その辺にどの程度手助け・介入するのかはボスのスタンス次第かも。
通りすがりの修士学生・学部生
研究は卒業と就職のための通過点。色々な関係のない要素をコントロールし、自分の着目したい変数の影響だけを抽出・観察し、考察するという端から見たら変質的な「研究」を通して良い経験が得られるといいねって思う。卒論は「結果」でなく、「努力」と「プロセス」を見られるのでその辺を心得ておかれたい。
卒研でデータでません→ やるだけやって情状酌量を期待するしかない - 発声練習
色々な壁
博士課程大学院生としての現在の認識
以上に書いてきたのが自分なりに今持っている研究室とそのメンバーに関する認識。うちのラボがそうだから、というわけではなく、いろいろ見聞きしてきたものを総合し、理屈で考えていくとこういう風かなーと思ってる。
実験や研究は好きだし、博士課程2年目も終わろうというこの時期になってやっと、研究テーマを考える面白さがわかってきたように思う。だけど、研究の世界でのポスドクはけっこうなポジションなので、ここを通るぐらいなら他の道にすべきか、考え中。
おまけ
これを見てなかったら今回のエントリーは書いてないかもしれない↓
How people in science see each other.