「俺の人生も捨てたもんじゃない」と思うことがあった。

ここのところバイオリズムは低調な感じだけど、今日はなかなかに感動することがあった。覚えておきたいので日記に残す。

数年前のモニター用翻訳ソフト

数年前に、大学生協で色んなソフトのモニター用抽選が行われた。ラボの何人かの名前を借りて、色んなソフトに応募した。結果、確か2ライセンス分ぐらいついてるEndNoteが2-3本と、よく知らないけどプロっぽくて定価15万円ぐらいの機械翻訳ソフトがもらえた*1。EndNoteはみんなでシェアし、翻訳ソフトは同僚に任せた。


翻訳ソフトは、自分でもFreeLancerで小遣い稼ぎをするために何回か使った*2。けど、優秀なはずのソフトを使いこなせず、定価の価値も全然わからずにいた。

2013年、英語の良い科学書に出会って、翻訳をし始めてみた

昨年、自分のど真ん中の本を見つけた。その本の中には、自分が研究を通して考え始めてたことの先が広がってた。


調べると、著者はやっぱり研究者で、アメリカで同じような分野の研究をしてるらしい*3。ということで、とりあえず連絡をとってみた。「翻訳してみたいんだけど、ワードか何かのデータもらえない?」、「万が一うまく翻訳できたら出版したいです」。そんな感じ。


すると、著者も快諾してくれて、編集者の了解のもと、PDFファイルをそのまんま送ってくれた。万が一ではあるけど日本語訳が出版されるかも!ってことで喜んでくれたみたいで、本当に「手伝えることがあったら何でも言ってよね!」みたいな感じ。


こっちも著者のお墨付きをもらえたのが嬉しくて、11月ぐらいから書籍の方を見ながらシコシコとほぼ直訳の下訳をしてきた*4

今日

今日現在で、下訳は半分弱ぐらい。このペースじゃ卒業までには全然無理だなー、なんとかペースあげたいなーと思ってた今日、忘れ去られた翻訳ソフトがあるのに気づいた。


ソフト所有者の同僚に聞いてみると、ライセンスは問題なさそう。さらに聞くと、どうやらOCR機能が万全らしく、PDFからも直接取り込んで翻訳できるらしい!


やってみた。
インストール→ファイルを開くからPDFを直接開く→そのまま取り込めた!→翻訳スタートボタン→30分で全部翻訳ができた!


翻訳のクオリティは、もちろん機械翻訳レベルでまったくダメ。だけど、半分弱の単語調べ・直訳で、50時間ぐらい使ってたところが、1時間で全部できた。何より、この二つの出来事がつながっちゃった感動が大きかった。

二つの出来事

モニター用とはいえ、色んな人の名前を借りてまでよく知らない翻訳ソフトを手に入れるなんて、普通だったらそんなことしない*5。翻訳をしようと思っても、まずは自分でやってみて、できたら著者に連絡、それぐらいが普通そう*6


その二つの、あまり普通じゃなくて、今思えばどっちも「あの時の自分は何を考えていたのか」で、つながることも予想できなかったことが、今ここで役に立ったのが嬉しかった。他人から見れば変な行動に見えるだろうけど、自由に考えて自由にやってきたことがつながった気持ちよさ。


これがあるから、自分なりで自由に考えたり行動するのが楽しいし、目の前の翻訳にもやる気が湧く。人生も捨てたもんじゃないと思える。ということで、次は、機械翻訳から完成稿までの段取りに取り組むかな。

*1:その後、借りた人の名前でレビューを書くのが大変だった。本当は使ってないのに「自分の使い方」を書いてみたり。こんだけ当たるってことはみんな応募してなかったんだな

*2:ということは3年以上前か

*3:投稿するジャーナルが同じだったりする

*4:PDFはとりあえずラボメンバーに配っただけだった

*5:いくら高価なものでもそれだけの理由では応募しないし、その時の自分は何を考えていたのか

*6:実際、自分もそう思ってたし、同僚にも止められながら、「高評価してくれる読者から連絡があったら誰でも嬉しいだろうから大丈夫」と考えることにしてとりあえず連絡してみた