嫁さんの出産を待ちながら、初国際学会用のポスター作りをして気づけたこと

来週、初めての国際学会に行く予定。んで、発表用のポスターを作製したり、出産予定日は過ぎたけどまだ息子が生まれてなかったり、あるいは学会のオーガナイザー側から「参加登録閉めきったからもう参加できないよ」と言われてみたり*1で、今週は色々ある。得られた教訓は、「なんでもデッドラインが来るまで先延ばしにしてると痛い目に遭うこともある」ということ。

今回のポスターは自分としては上出来

ところで、今回で3回目のポスターなわけだけど、かけている時間・ポスターの内容ともに今までで一番順調に作れてるんじゃないかと思う。


時間的には、先週まで解析をしてて、その間もそのデータでのポスター・論文の構成を考えたりしてたけど、ポスター作製に着手したのは実質的には先週土曜。んで、火曜にはドラフト的なのができたのでラボでゲリラ的にリハーサルをしてコメントをもらい、昨日木曜2度目のリハーサル。で、リハーサルでのコメントなどを反映させて今日ポスターを大判で印刷できた。多少の修正はあるかもだけど、1週間でおおむね完成させれた経験自体、自分にとっての収穫だし、自信にもなりそう。

今回のポスター構成

今回の発表内容は、一つのウェットなデータ(かつメインデータ)と、それを補強する2つのゲノム解析結果なんだけど、
・一番最初、イントロより前に「Core findings」という大項目を作ってメインデータを入れ、
・その次に、イントロ・目的、
・その下に、並列で2つのゲノム解析結果、
・んで、結論を出してから、
・さらに今後の研究としてプレリミナリーなウェットのデータと考察を一番下に入れる
というレイアウトにしてみた。自画自賛だけど、「Core findings」という項目を作って一番最初に載せるのを思いつけたこと、その下の構成が単なる順番に出してるのではなく並列関係だとかを示せてること、などに満足してる。「Core findings」という項目をポスターで見たことはないけど、さらっと流して見ていく人にも、「ここだけは見てってほしい!」というところが見てもらえる様になったと思う。

プレゼンで「伝えたいこと」をどう扱うか?

今回学んだ大事なことは以下の2つで、これらを意識できるようになったこと、意識した上で作成できてるのが最大の収穫。

  1. 伝えたいことの骨格がどうなっているのか、自分でしっかり把握すること
  2. 「伝えたいこと」と「伝わること」の間にギャップを作らないように、媒体*2を完成品に仕上げること


「伝えたいこと」の骨格は、「自分の研究全体の骨格」ではない。その時に発表する内容に関する「伝えたいこと」であって、この伝えたいことは、見せるFigure全体が決まった時、俯瞰して後付け的に出てくる面がある。思ってるよりも流動的な「伝えたいこと」「示せること」を把握した上で、構成をその時の発表という局所に対して最適化するのが大事。


「伝わること」のコントロールは本当に難しい。他人に対して一つの完成品が示した時、初めて「伝わること」が生まれる。「こう伝わってほしい」という願望を持って作っても、その願望が具体的な工夫として構成・完成品に落とし込まれてないと願望通りには伝わらない。


学会発表を事務的に済ませるのであれば話は違うけど、発表という一つの機会を最大限に活用するのであれば、この2つの局所的最適化は不可欠なものなんだろう。

*1:メールでのやりとりでなんとかなったのでもう大丈夫だけど、「予約した飛行機キャンセルすんの?今俺が作ってるポスターってこれなんのため?」などなど、なんとかなるまで半日ほど茫然自失だった。過去最大級のヒヤリハット事例になった。

*2:ポスターやスライド