思考の落とし穴ってあるよね

ARCHIVES | KAZUMA IEIRI - Part 3046

変えられない物を変えようと努力するより、新しいものを作っちゃった方が早い気がしてくるよね。

思考の落とし穴

いや別にこの言葉自体に反論したいとか、文句があったりするわけじゃないけど、この前読んだ本とも関連して、「思考の落とし穴」ってあるよなーと思った。
学会から帰ってきた - ある生物系博士課程大学院生の日記

自分でやった方が早い病 (星海社新書)

自分でやった方が早い病 (星海社新書)

本来の目的から行動を逸らしてしまうパターンの「感情の落とし穴」

「早い」ことが最優先の場面はたくさんある。「ただ終わらす」ことが目的なら、「早い」ことはけっこう高い率で「イイこと」なんだろう。でも、多くの物事、特に本質的に重要な物事については、「早い」よりも優先されるべきor優先したい目的がある。


なんだけど、その目的の裏側に転がってるネガティブで感情的な欲求はしばしば思考を狂わせる。「大事な仕事が終わってないことによるストレスを避けたい」とか、「当面は自分でコントロールする余地のないことについて、コントロールしてる感覚を持っていたい」みたいな。「この感情から逃げたい!!」ってついつい思っちゃって、落とし穴にはまっちゃう。

結局大事なのは、「目的は何か?」ってことなのかな。

はじめの引用で言うと、「変えられないものを変える努力」の代わりに「自分で新しいものを作っちゃう」方に気持ちが傾いてるのが読み取れる。でも、これってもう十分感情的で、真面目なディスカッションならばそれなりに暴論*1。んで、問題は「本来の目的を放棄しちゃってること」。目的をはっきりさせて、しっかり認識できれば、「変える努力」の代わりにとれる良い代案が生まれてくる余地は残る。んで、避けられるはずだった余分な問題が起きるリスクもたぶん減らせる。

「自分でやった方が早い病は、自分でやった方が遅い病」

というあとがきの言葉を思い出す。


「それ」を自分でやることが目的じゃないけど、「早く終わらすために」自分でやる。他の人がいて、チームで行動してるのに。そうすると、本来「それ」の中から誰かのために生まれてくるはずだった経験値や利益を奪ってしまう。そうなっちゃうと結局みんなのハッピーさの合計はあまり大きくならないし、本人もツラいよね、ってのがこの本の主旨だった。

感情は得てして思考を狂わせる

このパターンに限らず、感情、特にネガティブな感情は「理性的な判断」や「理性的な認識」を狂わせがち。


「Aはめんどいから、Bで早く済ませちゃえ」
「あの人がやるのを待ってるより、自分でやった方が気がかりが早く減っていいや」


大事な場面でそういう判断をしてしまわないよう、一つの落とし穴として認識しておこうと思った。あと、家入さんのブログはいつも面白く読ませてもらってます。変なオブラートがないし、はっきりしてて面白いです。

*1:得てして社会的な大事ほどそういうことがあるのは面白いけど