卒論の書き方、というか、書く前の心構えをアドバイスしてみた。

心構え:動き出す前に、できるだけの準備をする

これから卒論を書き始める後輩にアドバイスをしてみた。具体的には、「書き始める前にやれるだけのことをやっておくこと」。これができるかどうかで、卒論を書く速さと質が変わるし、なにより成長につながると思ってる。*1


んで、何事も動き出す前の「心構え」で、最終的なアウトプットの質とスピードが決まってくると考えてる。これはゴルフから得た気づきで、「アドレスした時点で打ち出す球は決まってくる」のだと思う。

ざっくり言うと、

  1. ブログ「発声練習」の卒論関連記事を読むこと
  2. 取り組む順番:大きい構成→小さい構成→最後に文章作成の作業
  3. ワードに向かう前に、「これから書く事項」を把握してから書き始めること


以下に詳しく作業レベルまで書くけど、この辺の作業まで、「やる前からどんなことをするのか、何が目的なのか」などを事前に認識して置けると、きっと良い卒論が書けて結果として得られるものも多いと思う。

発声練習より

発声練習のエントリについては、鉄板なのでぜひ読んでから始めると良い。
http://d.hatena.ne.jp/next49/20090916/p5
http://d.hatena.ne.jp/next49/20101205/p2


上2つはぱっと思いついたとこだけど、この目次ページから探せばさらに役立つ考え方が出てくることだろう。
http://d.hatena.ne.jp/next49/20080105/p3

取り組む順番は大きいとこから小さいとこへ

これは要素分解の話。卒論の構成は、こんな感じ。
卒論一編>目次、アブスト、イントロ、云々、引用文献、謝辞etc.>それぞれのコンテンツ・パラグラフ>メッセージ・キーワード>文章


だから、文章を書く前にやれることがたくさんある。闇雲に書き出すのではなく、まずは「自分が最終的に書き上げる卒論」の骨と構造を構築・把握すること。

良いサンドバッグには骨がある

全体を通して一貫する問題点と、それに対する研究のメッセージを把握する。これが骨になり一貫性を生む。骨作りの次に、丁寧な肉付け作業。


骨ができてない場合、一貫性を出せるように先生が指導してくれる。けど、本人が意識してないと結局無理。指導が途中で終わるか、最後まで叩かれ続ける「悪いサンドバッグ」になる。悪いサンドバッグは、本人にとっても精神的・睡眠時間的に辛いし、指導する側も辛い。*2


良いサンドバッグとは、「骨があるから、細部にこだわった指摘を受けることができるサンドバッグ」。指導者も叩き甲斐があるし、本人も一貫したものを意識してれば書き進めやすくて修正もしやすい。本人のためにもなりやすい。

大まかな流れ

適当にざっくり書くと。

  1. 暫定的な骨作りと目次作り。その骨で良いか指導者との議論。
  2. 目次のコンテンツごとに、それぞれ3〜5個ぐらいの大きな構成要素を入れておく。
  3. 文章作成は、マテメソ・結果から。
  4. 書き始める前に、その中身を自分なりに大きく分解・把握して流れを作ること。*3
  5. 書くときも、2割の時間で8割書くイメージ。書くスピードが落ちてきたら、進んでいない他の所に手を出す。


あと、構成から実際に書く作業まで、あらゆる面で行ったり来たりするのが普通。そこんとこを理解して、行ったり来たりする前提でデータ管理だとかをできるとさらに良い。

卒論生の方々へ

卒論は大変だけど大学生の通過点。どうせやるなら「最短の時間で最良の卒論に仕上げ、なおかつ自分のためになる」のを狙うのが一番生産的。もちろん結果的にはそんなうまくいかないけど、先達の考え方を取り入れ、自分なりに工夫してやっていくこと。そうすれば、それなりに面白く、終盤は辛い感じで取り組めるんじゃないかと思う。将来きっと役に立つし、先生も論文書きには苦しんでるし、力を入れすぎずに頑張ろう。

最後に

卒論についてアドバイスしつつ、より一般的な「新しいものに取り組むときの心構え」とその中で重要と考えれるところについて書こうと思ったのが、このエントリのきっかけ。次回は是非これを書きたい。

*1:もともと成長の話につなげて書こうと思ってたけど、長くなるので卒論の話だけにしとく

*2:自分の卒論の時は、まさにそんな感じの「悪いサンドバッグ」だった

*3:2割の時間で8割の内容を詰め切っておくぐらいのイメージ。