博士課程学生の強みと弱み、新卒マーケットでの位置づけ

就活で学んできたことの一つに、「博士卒というバックグラウンドを意識して、生かす」ということがある。この辺りのことを見聞きしたことがあまりないので自分なりにまとめる。

文系就職の新卒マーケットで理系博士卒が成功するために、「博士卒を採用する理由」を作る

文系就職の新卒マーケットでは、学部卒も博士卒も横一線に並べて比較・選考されることが多い*1。当然、学部卒と比べれば実地経験があって、ロジカルな思考、実行力、エクセル能力などは高い。その辺では有利なんだけど、さらに「博士卒」というバックグラウンドを生かして、採用担当者が「敢えて博士卒を採用する理由」を作りにいきたい。


そのためには、理系博士卒たる自分の主観的・客観的な位置づけを把握し、博士卒の良さをアピールするのが正攻法なのだと思う。

博士卒の位置づけ、学部卒・修士卒との違いを知る

博士課程学生には、学部卒・修士卒と比べて一定の傾向がある。んで、企業側から見て偏見のあるところ。*2この辺を把握しておいて、強みはより良く、弱みは逆手にとれると良い。


把握する第一歩として、いろんな企業の選考に参加して、説明会やGDで他の学生を見てみるのが一番。横並びの状態で横を見てみる。できれば、学部卒・修士卒の就活仲間をたくさん作って、能力や経験値、目線の違いを把握したい。その中で「みんなが思ってる博士卒の強み・弱み」を把握し、自分に当てはめてみること。

博士課程学生の強み

これまでの就活経験から、理系博士卒の強みやアピールポイントは以下のとおりだと思ってる。

  1. 問題把握能力・提案力
  2. 問題解決能力
  3. 人とロジカルに議論ができること
  4. 研究というプロジェクトの実務遂行経験と、その中で成長してきた経験があること


研究を「問題解決プロセス」と捉えれば、研究を通して得られる能力は多いし、汎用性も高い。博士卒だと当然研究の話になるはずなので、その中でどれだけ独自性や魅力が出せるか、アウトプットの仕方はとっても大事。この辺でアピールするのは採用担当者にも期待されていることだし、これだけでも企業には十分採用する理由になり得る。見せ方・出し方をよく練っておいて、就活持ちネタ第一号としてブラッシュアップし続けること。

博士課程学生の弱み

  1. 対人能力・コミュニケーション能力の低さ
  2. スピード感の無さ


博士卒というだけで、採用担当者もこう見てる場合が多いので意識してコミュニケーション能力・スピード感を出すこと。直接的な言葉でなく、行動・態度で感じさせることができたら逆にメリットになるはず。ここを強く見せれる雰囲気とエピソードが出せたら、博士課程学生は就活強者になれる。

ポテンシャル

新卒マーケットでは、成長する余地、ポテンシャルにも重点が置かれてる。博士卒としてある程度年がいってるのはそうなんだけど、そこから「うちに入ったらこれぐらい伸びそう、こんな感じの人材になってくれそう」という期待値が上がるように意識すること。


採用担当者から見て、博士卒はある程度のスキル・経験があって、中途採用的な面があると思う。新卒採用の中では、この成長ポテンシャルが、採用するか否かを決めるんじゃないかと思ってる。

博士卒の価値

自分は、「博士課程学生は研究に限らず広く世の中に役立つべき」だと思う。資質としても、使命としても。どこの企業にだって入れる能力があるんだから、自信を持って、制限を設けずに、自分がやりたいことや将来なりたい姿を考えられると良い。自分の人材像・やりたいことという両面でマッチする企業が見つけれたら、実際に「僕はこんなことができます!貴社ではこんな風に役立てます!」とアピールできれば、それで採用されるんじゃないだろうか。

*1:博士卒というだけで選考に参加できないこともあるけれど、それは置いといて参加できる場合の話。年のいった博士卒は取りづらいという企業もあり得るけど、自分ではどうしようもないので置いとく。

*2:学卒だと偏見なしでフラットに判断できても、理系博士卒はそれだけで「理系博士といえばこんなやつが多いよな」という偏見がある