コンサル業界について入る前に思うこと

コンサルに入るのが怖い。


新社会人になる日が近づいてきて、2ヶ月くらい前からそんな風に思うようになった。後悔してるわけじゃないけど、「俺の就活あれでよかったのか?」みたいな気持ちもあった。けど、まあやってみるしかないと開き直る気持ちが持ててきたし*1、やる以上は自分なりの心構えをちゃんと持っておきたい。


ということで、今回の内容は、
・コンサルという仕事を今の距離感で見た感じ
・コンサルの仕事に期待するもの
・新入り目線での業界・仕事分析
・抱負

コンサルの仕事を今の距離感で見た感じ

内定者としてあと2ヶ月もすればコンサルタントという肩書になってるはずの立場でコンサルという仕事を見て、思うこと。怖い。


研修でエクセルやっただけで、現段階で全くついていけないことがわかった。作業だけのレベルでも全然足りない。こんなん本当にできるようになるの?って感じ。クライアントとのコミュニケーションやら最終のプレゼンやら考えると、もう全然わかんない。エクセルだけでこんなんだったら、その先なんて想像もできない。


想像しても想像できないってのが怖い。博士課程を出て、アラサーにもなってる自分が新入りになって知らないことに取り組むのってことも相乗的に怖さを引き立てる要因。


戦略がどうこう、クライアントの重役と仲良くなってどうこう、みたいなリアリティのない憧れだとかで、コンサル志望です!って言ってる人にはまず想像してほしい。エクセルのレベルと速さだけでも、本職の人のを一度見てみてほしい。


ホント、自分も就活してる頃はナメてた。どんな仕事か、OB訪問をそれなりにたくさんしたけど、結局は空論で勝手に捉えて、志望して、内定をもらっちゃった。そんな自分が愚かだったとは思うけど、こんな内定をもらった以上、やってみるしかない。


まあみんなこんなようなところからできるようになったんだろう。自分が研究を始めた時も、「研究って何それ?DNA増やせばいいの?」で、「学会発表って何?面白いの?」だった。けど、5年かけて少しずつ学んで、あの時憧れてた博士課程の先輩と同じように、少しはいっちょまえなPhDになれたはず*2。コンサルでも、一年位たった頃には、今は想像できないぐらいのずっと遠くまで行けてるんだろう。


わからんことを考えてもしょうがない。怖いとか言わずに、そうなっていくんだろうと信じてやってみるしかない。ここ1ヶ月くらいで、怖いって気持ちよりもそんな風に思える気持ちの方が強くなってきた。んで、ビビリで本当は怖いんだけど、コンサルの仕事に今期待してることや抱負をまとめておく。生意気みたいだけど、生意気を言えなくなったらおしまいだと思ってるから頑張って生意気を言ってみる。

コンサルの仕事に期待するもの

・色んな面白い経験
・物事のリアルさとスリリングさ
・今自分が想像してるよりもずっと遠くまで行けて、できれば誰も行ったことのないとこへ行けること


一言で言うなら、すごいものを見て、自分でもしたいってこと。きっとコンサルの仕事には色んな場面があると思うけれど、自分がパンクしない範囲で、できるだけ避けたりせず、できるだけたくさんの経験をしたい。大事な場面で、この初心を思い出せるようにしたい。

新入り目線での業界・仕事分析

・コンサルって斜陽っぽい?
・ハードワークっぽい?
・すぐ辞めたくなるんじゃね?


コンサルブームが去り、純粋な戦略案件が減って、インプリメンテーションが増えてる。だから面白くない。まことしやかにそんな感じの否定的な言葉を聞くことがある。けど、これって「コンサルの新人」から見たら面白い状況なんじゃないの?と思う。


だいぶ昔のことだろうけど、海外のベストプラクティスを持ってきていっちょ上がりみたいなことはもうないはず。ブームみたいに業界の身の丈以上の仕事が来てた時は、クオリティの低いコンサルでもそれなりにお金が生まれてたんだろう。


けど、コンサルブームが落ち着いて、コンサル業界全体のパイが縮小して、今は戦略・総合コンサルも撤退や再編してる真っ最中。淘汰されるところは淘汰されて、生き残るファームは売上を伸ばしたり維持するために、純粋な戦略じゃなくインプリもやるようになってるんだろう。実際、現場のコンサルタントとしても「戦略がやりたいのに!」、「俺は業務改革ばっかなのにあいつは戦略案件やれていいよなー」みたいな気持ちがあったりもするんだろう。


かたや、クライアント側は、日本の不況っぽさに引き釣り回されて、生き残るには海外に打って出るしかないか。資金繰りがショートする前になんとかしないとならんけど、タイムリミットって明確には見えないしな−。コストカットしたらいいのか、成長戦略したらいいのか、それとも目の前の資金繰りを心配したほうがいいのか、よくわからん!大枠ではそんな感じだと想像してる。


そうやってパイが縮小しつつある中で生き残ったファームで、ゆとりのお金で来るクライアントじゃなくて、無駄遣いできないはずの身銭を切ってまでお金を払ってくれるクライアントの仕事であれば、そりゃ面白いんじゃないのか。だって高いよ。誰でもできるコストカットや、割に合わない投資しか期待できないなら、コンサルを雇わないだろう。


だから、雇われる以上、コンサルに求められるハードルもベストプラクティスなんかじゃない、クオリティの高い個別解なんだと思う。そうだとしたら、コンサルの新入りには面白い状況なはず。パートナークラスは全然違うだろうけど、現場的には流動的でスリルがあって、新入りでも頑張りや立ち回り次第で色々見れて、いい仕事をするチャンスのある状況なのかなーと思う。


んで、ハードワークなのはもう聞いてます。自分の効率が低すぎるのであれば、土日も働かなきゃならんだろうし、平日も寝れないんだろう。すぐに辞めたくなる気持ちが湧くだろうし、そもそも今だって怖い。けど、まあ体や心が壊れる前のギリギリのところまではやってみるしかない。もうその辺までいったら精神論でも持ってきてやれるだけはやる。

今の抱負

・ゼロから臨むこと
・おまけを拾い続けること


最初は、俺は博士課程卒だし同期のみんなより年上だしなー*3、みたいな気持ちがけっこうあった。けど、エクセルやっててわかった。年がいってると言っても、自分がプラスアルファの何かを持ってるとは思えない。入る前に準備したって大したプラスアルファは作れないだろうし、入ってから何でも吸収できるようにするしかない。場当たり的だけど、「今何も持ってないから、入ってからなんとかする」って心構えは間違ってないと思う。できるだけ、余計な自負やプライド、バイアスを持たずに、まっさらな気持ちで、その場その場をしっかりやって、吸収していきたい。


あとひとつ自分のモットーとして忘れたくないのは、おまけを拾うこと。目の前の仕事できっちりアウトプットするだけなら誰にでも求められてる。それに加えて、毎日ちゃんと自分にしか見つけられない拾いものをして、それをコツコツ貯めていくこと。それがきっと先の先で、自分のオリジナリティになっていくはずだと信じてる。

*1:そのきっかけは、つい先日、本当に低いレベルで自分の愚かさを思い知ったことにある。迷惑をかけた関係者の方には申し訳ない

*2:まだなってないけど

*3:給料もちょっといい